COLUMN — 事業計画書

事業計画書の書き方:
融資が通るポイント。

更新日:2026年5月 執筆:Nexcess 融資支援チーム
公庫の審査官は年間数百件の事業計画書を読みます。「通る計画書」と「通らない計画書」の差は、熱意の量ではなく論理の構造にあります。このコラムでは、審査官の視点から事業計画書に必要な構成・数値の作り込み方・よくあるNG例を整理します。

審査官が事業計画書で見る3つの軸

① 魅力(誰に・何を・なぜ)

「どんな顧客の、どんな課題を、なぜ自社だけが解決できるか」が明確に書かれているかを見ます。「地域密着で丁寧な仕事をします」という表現は差別化になりません。競合と比較した上で、具体的な強みを記述することが求められます。

② 実現可能性(根拠のある数値)

売上計画の根拠が論理的に構成されているかを確認します。「月50万円の売上を目指す」ではなく、「顧客単価2万円×月25件受注×12ヶ月=年商600万円。受注件数の根拠は、既存顧客3社の継続受注+新規開拓2社/月を想定」という粒度が必要です。

③ 返済能力(キャッシュフローの裏付け)

利益が出ていても、返済のタイミングに手元資金が足りない月があれば問題です。損益計画だけでなく、月次の資金繰り表(入出金の時系列)で「返済可能な状態が継続するか」を示します。

事業計画書の標準構成

項目記載すべき内容・ポイント
事業概要事業の目的・ビジョン・開業の動機。「なぜあなたがこの事業を行うのか」を明記。経歴との一貫性が重要。
商品・サービス提供するものの特徴・強み・顧客メリット。競合と比較した優位性を具体的に。
市場・ターゲット分析市場規模・成長性・ターゲット顧客の属性。根拠となるデータ(業界統計・地域人口等)を引用。
競合分析直接競合・間接競合の整理。自社の差別化ポイントを表形式で比較すると明快。
販売戦略どのように集客・受注するか。具体的な集客チャネルと予算を記載。
財務計画月次損益計画(3年)・月次資金繰り表・返済計画。数値の整合性が最重要。

よくあるNG例とOK例

月商100万円を達成する予定です。
顧客単価50,000円×月20件受注=月商100万円。受注件数の根拠:既存顧客からの継続10件+チラシ配布(月3,000枚)による新規10件を想定。類似エリアでの競合調査に基づき算出。
地域で一番丁寧なサービスを提供します。
競合A社・B社が提供していない「当日対応・写真報告」を標準サービスとして提供。近隣2社へのヒアリングにより、当日対応を求める顧客の未充足ニーズを確認済み。

財務計画で最も重要なこと

審査官が財務計画で確認するのは「楽観的な数値ではなく現実的なシナリオか」という点です。売上が計画の70%しか達成できない「悲観シナリオ」でも返済が継続できるかを示せると、審査官の信頼度が上がります。

また、借入金の元本返済は損益計算書には反映されません。「黒字なのに資金が足りない」という構造を理解した上で、月次資金繰り表に返済スケジュールを反映させることが必須です。

事業計画書 作成チェックリスト

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