公庫の創業融資申請で「書類が揃っていない」「不備で差し戻し」という事態は、事前の全体把握で回避できます。必要書類は業種・法人か個人事業主かによって異なります。このコラムで全体像を把握し、不備のない申請を準備してください。
必須全ケースで必要 条件付き状況により必要
共通の必要書類
A. 申請書類(公庫指定フォーム)
| 必須借入申込書 |
公庫のウェブサイトからダウンロード。記入例を参照して記入。 |
| 必須創業計画書 |
公庫指定フォームあり。事業計画書と混同しないこと。数値根拠を丁寧に記載する。 |
B. 本人確認・事業実態書類
| 必須本人確認書類 |
運転免許証・マイナンバーカード・パスポートのいずれか。 |
| 条件付き開業届の控え(個人事業主) |
税務署受付印があるもの。e-Taxの場合は受信通知を印刷。 |
| 条件付き履歴事項全部証明書(法人) |
登記後に法務局で取得。発行から3ヶ月以内のもの。 |
| 条件付き定款(法人) |
認証済みの写し。設立後に変更がある場合は変更後のもの。 |
C. 財務・資金関連書類
| 必須預金通帳のコピー(直近6ヶ月〜1年) |
自己資金の確認・入出金履歴の確認に使用。通帳全ページが必要。 |
| 条件付き確定申告書(直近2〜3年分) |
既に事業を営んでいる場合に必要。第一表・第二表・収支内訳書を含む。 |
| 条件付き他の借入状況を示す書類 |
他社借入がある場合は残高証明書・返済予定表など。 |
業種別の追加書類
飲食店・小売店の場合
| 条件付き店舗の賃貸借契約書 | 物件が確定している場合。内覧段階でも仮契約書で対応可の場合あり。 |
| 条件付き内装工事の見積書 | 設備資金を含む申請の場合に必要。 |
| 条件付き食品衛生責任者資格証 | 飲食業は許認可が必要な場合に。 |
建設業・一人親方の場合
| 条件付き建設業許可証の写し | 許可が必要な工事を行う場合。 |
| 条件付き工事請負契約書・発注書(直近) | 事業実態・受注実績の証明として有効。 |
| 条件付き設備・機械の見積書 | 設備投資を含む申請の場合。 |
士業・コンサルタントの場合
| 条件付き資格証・登録証の写し | 弁護士・税理士・社労士等の場合。 |
| 条件付き受注見込み・覚書 | 開業前に顧客が確定している場合は証明として活用できる。 |
よくある不備パターン
不備1:通帳が古い・途中が欠けている
直近6ヶ月〜1年分が必要。古い通帳の取引ページをすべてコピー。ネットバンクは取引履歴をPDF出力して提出。
不備2:創業計画書と事業計画書の数値が一致しない
公庫指定の創業計画書フォームと、別途作成した事業計画書の売上・費用計画が食い違うと即追加照会が入る。
不備3:自己資金の出所が説明できない
通帳に突然大きな金額が入金されている場合、出所を証明する書類が必要。親族からの贈与・借入がある場合は贈与証明書・借用書を準備。
申請前 書類チェックリスト
- 借入申込書・創業計画書(公庫指定フォーム)を記入済み
- 本人確認書類の有効期限を確認済み
- 通帳コピーが全ページ揃っている(直近1年分)
- 自己資金の出所を説明できる資料がある
- 業種に必要な許認可書類を確認済み
- 創業計画書と事業計画書の数値が一致している
- 他の借入がある場合、残高証明書を取得済み
書類準備の3原則
- 最新版を使う(有効期限・取得日を確認)
- 複数書類間の数値を一致させる
- 「なぜこの書類が必要か」を理解してから準備する